の男に一人の女、しかもそれが、はち切れそうな娘盛りと来ていちゃあ、これは只事じゃあ済まねえなあ、こいつ、この国での一番の考えごとだぜ」
七兵衛の苦労は、そこまで及びましたけれども、それはただに取越し苦労ではない、火がそこまで燃えさかって来ているようで、おっつけ、この女の持主というものを確定してやらないことには、その暗黙の競争者で火花が散る。苦労人の七兵衛は、この問題を、島に於ける最初の、しかも最大の難問題のように思われ出してきました。
競争者が出来た時に、一方に与えて一方に与えなければ、すぐに生命《いのち》がけの問題になる、ということを、苦労人の七兵衛が考えないわけにはゆきません。そうしてみると、今のうちに、すっかりこの娘の持主をきめてやって、他の者は手が出せないものだという観念を、みんなに持たせてしまわなければ事が遅い。これは考えている時じゃない、眉《まゆ》に火のついた問題だと、七兵衛はせき[#「せき」に傍点]立ちました。
お松の方は、あれで大安心。いいか、悪いか、それは知らないが、もうあの女の運命はきまったから、あれは、これ以上に心配してやるがものはない。これからはこの娘だ、
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