てもあたし、福松て名はドコへ行っても変えないことよ、それは、あなたにわかり易《やす》いために、何家の福松っておたずねになれば、すぐにドコのドの小路《こうじ》にいるということが、すぐにわかるように、福松って名はいつまでも変えないわ。屋号は前の株で何となるかわからないけれど、新しく自前《じまえ》になれたら、何とつけましょうねえ、そうそう、『宇津《うつ》の家《や》』とつけましょう、それがいいわ、宇津と御本名をそのままいただいては恐れが多いから、かな[#「かな」に傍点]でねえ、かな[#「かな」に傍点]で『うつの家の福松』といいでしょう、こんど福井へおいでになったら、何を置いても、『うつの家の福松』をたずねておいでなさい。こんどというこんどがいつになるでしょう、一月ぐらい待ちましょう、金沢へなり、京都へなり、おいでになったお帰りを待っています――うつの家の福松の御神燈を忘れちゃイヤよ。それからねえ、いつまでも看板を揚げて、御神燈の下ばかり明るくしても仕方がない、そのうちに足を洗いますよ、せいぜいここ一二年がところ稼《かせ》いで、それからあなたのおっしゃる通り、このあわら[#「あわら」に傍点]の温
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