て胸に一致していたのを、一人が代って口に出したものですから、まず異口同意といったようなものです。
異口同音に舌を捲いての感歎によってもわかる如く、およそこれらの連中が見て、舌を捲いて、やりもやったなアと沈黙せしめられたるくらいだから、相当なにか外で行われたに相違ない。猫を一匹投げ殺して、娘が三日寝たという程度の仕事では、これらの連中の神経は動かないことになっている、その神経を、かなり最大級に刺戟した事件が外で行われたことの現場を、この連中は現に見届けて来たればこそ、ここへ来て、まず舌を捲いて、あっけに取られているに相違ない。
しからばこの連中をして、かく舌を捲かして唖然《あぜん》たらしめた外の出来事の性質は何かというに、やはり、今のその感歎詞を分析してみると相当当りのつくことで、先夜の池田屋斬込みよりも、これはまた一段の修羅場だ――という一句によって推察せられる如く、先夜の池田屋斬込みに幾倍する凄惨《せいさん》の場面が、この京洛の一角のいずれかで展開せられたに相違ない。
その比較に取られた池田屋騒動は、三条小橋の旅宿、池田屋惣兵衛方に集まる長州、肥後、土佐等の、勤王方の浪士の陰謀
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