た。ギャッと言った時が、すでに致命なのですけれども、死後の空気がまだ少し脈管に溜っていた。それが、「ギュー」という声で完全に吐き出されて絶望の境に入りました。もうこれ以上、打っても、叩いても、息もしなければ、音《ね》も揚げません。
そうして置いて、そのしたことを、無自覚のような昏睡《こんすい》のうちに、竜之助は再び夢路の人となったのですが、その夢路もあんまり長い時間のことでなく、またしても、うつつにその夢をさわがすものがあることを、昏々として眠りながら、うるさいことに苦々しがっている耳もとで、
「モシ、あの、玉が参りませんでしたか。玉や、玉や、またお前、ドコぞへ行きましたか、また人様に失礼なことをしてはなりません、さあ、こちらへおいで、玉や、玉や」
よくまあ、いろいろのものが出て、自分の安静をさまたげることだ、今の猫でケリがついたかと思うと、そのまた猫を探しに来た人間がある、その人間に挨拶をしていた日には、また続いて何が出て来るかわからない。
「猫はおりませんよ」
うつつで、竜之助が言うと、
「あ、左様でございますか、それは失礼を致しました」
「もしや、壁の隅の方を見てごらんなさ
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