。ぜひなく肩のところへ手をかけて、ゆすぶりながら、
「モシモシ、モシ、お医者様」
と呼び起したが、ちょっとやそっと、ゆすぶったのでは、手ごたえがありそうもないから、やや荒らかに、ゆすぶりかけて、
「もし、お医者様――お医者様、こんなところへゴロ寝をしては、医者の不養生でござるぞよ」
ぐいぐいとやったものですから、ようやく気がついたと見えて、酔眼をポカリと開き、
「ムニャ、ムニャ、ムニャ」
と言いました。
「しっかりなさい、ここは寝るところではござらぬぞ」
「ムニャ、ムニャ、ムニャ」
と二三度|唸《うな》ったかと思うと、すっくと立ち上りました。
百九十一
ようやく呼びさまされた道庵先生は、あわただしく起き上り、
「これは、どうも、いやはや、大変に失礼を致しました、どうぞ、御容捨にあずかりたい、年甲斐もなく、少々食べよったものでござるが故に、あしからず、どうも、はや」
と非常に恐縮して、そわそわしているものですから、青嵐も気の毒がって、
「いや、御心配にはおよびませぬ、お休みになる分にはいっこう差支えござらぬが、夜気に当っては毒と存じ申した故」
「いやどうも、年甲
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