の、セント・エルモの火に送られて出動するのを見咎《みとが》めて、そのあとを追って、とうとう、長浜の町の夜の街にまで下りてしまったのであります。
然《しか》るに、その夜は夜もすがら、ついにたずねる幻影のまぼろしを発見することはできないで、街頭の彷徨《ほうこう》に一夜を明かしてしまいましたが、その足ついでに飄々《ひょうひょう》とこの湖畔の城址まで来てみると、疲労も感じ、睡眠慾も出て来て、途端に古城址の石と石との間に、ほどよきねぐらを発見し、もぐり込んで身を横たえ、ぐっすりと甘睡の夢を貪《むさぼ》っていた。ところへ、同じく胆吹山を下りて来た弁信法師に嗅ぎつけられて、そこで二人の会見となり、ついにこの盲法師のために義侠心を発して、その多年の宿願であるところの、竹生島詣での舟を出してやったのはいいが、思いもかけぬ無人島に送り込んでしまった。ところが、当の相手は、結句その無人島に送りつけられたことを幸福なりと感じて、そこに一人、永久にとどまると頑張り出してしまって、テコでも動かない。
「世の中には、変な坊主もあればあるものだ、人間はなるべく賑やかなところへ、便利のいいところへと住みたがるのに、あ
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