行の一座をよろこばせ、さんざんによきピクニックを楽しんで、そうして、また、唐崎浜に待たせてあった舟に乗って、大津へ戻って来ました。
 その間、全く無事です。三ぴん、よた者、ばくち打、駄折助のたぐいは、影も形も見せなくなりました。
 お角さんとしても、新撰組は大した魔除けだと考えずにはおられません。
 宿へ帰って見ると、留守中に再三、使の者があって、お帰りになったら早々お目にかかりたいとのこと。
「誰だろう、道庵先生か知ら」
とお角が案じて、その置手紙を読ませてみると、
「おやおや、これは大変、甲州の大旦那がおいでになったんだよ」
 甲州の大旦那とは、お銀様の父、藤原の伊太夫のことであります。

         百八十二

 宇治山田の米友は、当人の望みに任せて、弁信法師をひとり多景島に残して置いて、小舟をもとの長浜へ向けて漕ぎ戻しました。
 その帰る路すがら、米友は、世間にはずいぶん変った小坊主もあればあるものだと思いました。御当人自身が、かなり変った人間であることを棚に置いて、弁信というものの存在が、いかにも奇妙に感ぜられてたまらないのです。
 しかし、米友が、弁信を竹生島《ちくぶ
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