でござる、貴殿の取調べを受けるために出頭したものではござらぬ、取調べの廉《かど》があらば会津侯へ申し伝えられい」
と言い捨てて、さっさと立帰ってしまった。
まもなく、内山彦次郎は、天神橋の袂《たもと》で、駕籠《かご》に乗って帰る途中を殺されてしまった。
何人といえども近藤勇に含まれることは、すなわち殺されることでありました。
百七十六
それと、もう一つ――京都の巨椋《おぐら》の池で、鳥を撃ったものがある。ここは伏見奉行の管轄で、御禁猟地になっている。いまだ曾《かつ》て何ものも、この辺で発砲を試みた無法者はない。果して、その禁猟の禁を破って鳥を撃ったものは、新撰組の手の者に相違ないという事実がわかった。
事実はわかったけれども、新撰組では仕方がない、全く相手が悪い――さりとて、捨てて置いては今後が思われる。そこで伏見奉行の与力で、横田内蔵允《よこたくらのすけ》という硬骨な役人があって、部下の同心に命じて、とうとう犯人として新撰組の一人、後藤大助という者を捕えさせて、厳重に次の如く申し渡した。
「この巨椋の池の御留場《おとめば》は、単に伏見奉行の意志で禁止して
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