に、「あんたはん、うだうだ言やはるな、ちゃア」に至っては、上方弁というものが本来、啖呵を切るには適していないので、お角さんが、うずうずして、どうにもこうにもならない。
 いかにぶしょく[#「ぶしょく」に傍点]渡世のやくざ者にしてからが、こいつはあんまり下等過ぎる。事と次第によっては、ぶしょく[#「ぶしょく」に傍点]渡世ほどかえって仁義が厚いもので、みだりに、こうして、素人衆《しろうとしゅう》のいる鼻っ先で、トバを開くなんてことはしないものである。こいつら、三下のうちでも、よくよく下等の奴だと、お角さんが腹にこたえながら観念の眼を以て見ているうちに、その丁半、ちょぼ一が、全く八百長であることを見てとりました。
 東西聯合のトバといえばすさまじいが、こいつら、真剣に勝負を争っているのではない、気合がウソだ、八百長だ、とお角さんが見てとると共に、八百長だとすれば、またおかしいじゃないか、いったい、何のために、ここまで来て、人の鼻っ先で八百長バクチをして見せなければならないのかと、考えているうちに、お角さんが、
「ハハン――」
と来ました。こいつら、誰かに頼まれて、いやがらせに来やがったんだよ
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