ると、
「いいってことよ」
を連発する江戸まがいの三下奴《さんしたやっこ》があるかと見れば、
「うだうだ言やはるな、ちゃア」
と上方なまりをむき出したよた者もある。とにかく雑種であって、本場物ではないが、東西聯合のトバと見れば見らるべきものです。
 これらの連中が、今や、夢中だか、狎合《なれあ》いだか知れないが、血眼になって、丁半、ちょぼ一を争いはじめました。
 それが、今いう通り、お角さんのピクニックの清興のつい鼻先なので、そうして、この盆蓙を敷くに当っても、お角さんに向って一応の渡りもつけていないのです。
 癇《かん》の強いお角親方が、その仕打ちをムッとしないはずはないのですが、そうかといって、旅先で事を構えたがるようなお角さんではないから、その安っぽいならず者どもを横目に、見て見ないふりをしていました。
 ところが彼等は、いよいよ増長し出してきました。そうして、何かポンポン啖呵《たんか》をきったり、巻舌をつかったりしてみるのだが、お角さんの眼で見ると、板についている奴は一人もない。「いいってことよ」とか「べらんめえ」とか連発するが、虫酸《むしず》が走るようで聞いていられない。こと
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