に傍点]の全身をひっかぶってしまったものですから、一たまりもなく同体に落ちて、それからは二つが、組んずほぐれつより合わされて、なお低く転がり落ちて行ったが、幸いにしてとある灌木の木株のところへくると、そこにひっかかって漸く食いとまることができました。
「あッ!」
「あッ!」
と双方とも、まず、そこで食い止められたことによって、生命《いのち》に別条のないことを認識しつつ、ほっと安心の息をつくと共に、
「これはこれは、よたとん[#「よたとん」に傍点]先生ではござらぬか」
「いや、これは金十郎殿」
という面合せになりました。二人は痛い腰をさすりながら、まず以て生命に別条のなきことをよろこび、それから、金十郎が、
「これはまた、いかな儀でござる、よたとん[#「よたとん」に傍点]先生!」
たずねられて、よたとん[#「よたとん」に傍点]が、
「これこれ斯様《かよう》なる仕儀、無学|蒙昧《もうまい》の後輩を、故実の詮議によって教え遣《つか》わそうと致したところ、無法とや言わん、乱暴とや言わん……」
それを聞くと、こらえかねた金茶金十郎が、
「いで、その無学蒙昧なる若輩共、この金十郎が取って押えて
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