が、少々薬が利き過ぎたかとも思っているようです。
百六十七
よたとん[#「よたとん」に傍点]先生が蹴落されて、勾配の急な草原を、ころころととめどもなく転がり落ちて、落ちついたところに、金茶金十郎が立小便をしておりました。
よたとん[#「よたとん」に傍点]と金十郎とは、同行してこの叡山に登って来たのですが、金十郎がちょっと用足しをしている間に、よたとん[#「よたとん」に傍点]の方が一足先に、この頭上間近の岩角に居睡りをして、もしもし亀さんをきめこんでいたのです。
あとから来た金十郎は、これから頂上なるよたとん[#「よたとん」に傍点]に追いつこうと思って、そこらあたりでちょうど立小便をしておりました。
その金十郎が、なにげなく立小便をしている頭上へ、思いがけなくも懸河の勢いで落ちかかって来たものがあるのですから、金十郎も驚き且つ大いに怒らざるを得ません。
「誰だ、何奴だ、何奴なれば拙者頭上をめがけて、なんらの先触れもなく――奇怪千万《きっかいせんばん》、緩怠至極《かんたいしごく》!」
こう言ってわめき立てた時は、無惨や、その頭上から、よたとん[#「よたとん」
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