っては、旅先で悪所通いをなすったり、よからぬ女にはまり込んだりなさるような心配は決してございませんし、わたしがお附き申していて、決してそんなことはおさせ申しませんが、万一、旅先で御病気になるとか、盗人追剥などのために、まあ、御災難を思いやっていては際限がございませんけれど、もし、そんな場合があったと致しまして、わたしが残っているような場合がありましたならば、わたくしがどこまでもお内儀《かみ》さんの力になって、旦那の御商売をついで、御一家をお立て申して上げますから、御安心下さい」
「何というお前の頼もしい言葉でしょう、それでは、もしや旦那がない後も、お前は、いつまでもこの家にいて、わたしたちのために力になってくれますね」
「それはもう、全く無給金でお家様のために働き、この御商売を、わたしの力で守り通して行って、ごらんに入れます」
「そのお前の言葉を聞いて、わたしは全く安心しました、きっと、その誓いを忘れないで、わたしの力になって下さいな」
「それはもう、わたくしは、最初からお内儀さんの味方でございます」
「嬉しい」
「では明日は、信州の方へ旦那様のおともをして商売に出かけて参りますから、
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