がみんな遊んで食べているわけじゃありますまい、それぞれ稼《かせ》ぎをして、食べて行くんですから、そう憎んじゃかわいそうですね」
「ところが、なかなか、稼ぎをして食って行くなんていう筋のいいのばかりはねえんでね、食っちゃあ遊んでいるのはまだいいがね、どうかして人の稼ぎためを食いつぶして、自分は楽をして生きて行きてえという奴がうんといるんだから、そんなのは、いいかげんに眠らしちまった方がいいんだが、さて、今いう通り実際となると、なかなか、この手が言うことを聞かねえんでな、ついつい、無慈悲な、人生《ひとい》かしをしちまうんだ、人殺しも感心しねえが、人生かしという商売も、これでなかなか辛《つら》いよ」
「ですけれど、先生、そう一概に悪い人ばかりあるわけではござんすまい、こういう人を助けて置けば、国のためにもなり、人のためにもなる、こういう方はぜひ助けて置かなければならないと、お考えになることもあるでございましょう」
「無《ね》えね――」
道庵先生が言下に首を横に振ってしまったものですから、お雪ちゃんも、あんまり膠《にべ》のないのに少々|狼狽《ろうばい》気味でした。そこを道庵が一杯ひっかけなが
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