いつ》で、ざっかけで、直《ちょく》で、気が置けない人柄である上に、お医者の方にかけては、江戸でも鳴らしている大家であるというような信頼もあるし、当然その脱線も脱線とは受けとれず、その道の当代有数の大家が、自分のようなものにも調子を合わせて相手になってくれることだと有難く思って、二人は炉辺で、それからそれと話がはずみました。
そのうちに、どうした話の風向きか、道庵の話がお雪ちゃんを前にして、性の問題に触れ出してきました。
「お雪ちゃん、お前さんも将来はその責任があるのだから、ようく聞いて置きなさいよ、わしはエロで話すわけじゃないんだ、お前さんの親切心に酬《むく》ゆるために、女にとってこれより上の大事はない、つまり男で言えば、戦場に臨むと同様なのが、それお産のことだあね。こればっかりは男にはできねえ。わしゃいったい、どうも身贔屓《みびいき》をするわけではないが、女の方が男に比べて脳味噌が少し足りねえと思うね。そりゃ女だって、多数のうちには男に勝《まさ》る豪傑――女の豪傑というも変なものだが、男のやくざ野郎よりは数十段すぐれた女もあるにはある、男だって女の腐ったよりも悪い奴がウンといるには
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