うするか見やあがれ!」
というような気にもなってみたが、そうかといって、どうすることもできない。天性、後生楽に生れて来た奴は仕合せだ、人の心配する間をぐうぐう寝ていられる、こんな奴が長生きするのだ。太々《ふてぶて》しいというのか、それとも羨《うらや》ましいというのか、呆《あき》れ返ったものだ。
 今更それを考えて、米友がポカンと呆れ返っていると、その裏から発止《はっし》と思いついたのは――
 何のことだ!
 この先生はお医者じゃねえか!
 その酔っぱらいのことばかりを考えて、ついに本業のことに思い及ばなかった。
 なるほど、この先生は医者が本業である。そうして酔っぱらいが副業である。
 副業としての酔っぱらいにかけては手に負えないが、本業としてのお医者様にかけては名人だ。少なくとも米友の経験する限りに於ては、起死回生の神医に近い!
 この名医神医を眼前にさし置いて、何を自分が今までしていた! 何が救急だ、何が看病だ!
 ほんとうに馬鹿じゃあ楽ができねえ!
 と今度は米友が、自分の頭脳の足らないことと、気転の及ばないことの馬鹿さ加減を、自分で冷笑しはじめました。
 最初からここに気がつい
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