せえ、じゃあ、遠慮なしにいただきやすぜ」
と言って、古川の英次という三下奴が、木口親分から廻って来た食い残しのライスカレーみたような一皿を、ダニの丈次の手を通して押しいただき、ガツガツと咽喉《のど》を鳴らして、食いはじめました。
「旨《うめ》えか」
「旨え、旨え、木口親分のお余りものと来ちゃあ、また格別だ」
「おい、下駄っかけの時次郎、てめえも来て、親分のお余りものに一皿ありつきな」
「有難え」
と言ってしゃしゃり出たのは、下駄っかけの時次郎という、これも新参の三下奴。ダニの丈次が勿体《もったい》ぶって、
「手前たち、よく木口親分のお手先になって忠義をはげむによって、親分から、こうして残りものをしこたま恵まれる、親分の有難味を忘れちゃならねえぞ」
「どうして忘れていいものか、おれたち一騎の器量じゃあ、とても、芥箱《ごみばこ》の残飯にもありつけねえのが、こうして結構な五もくのお余りにありつくというのは、これというもみんな親分の恵み、そこんとこはひとつ安直兄いからよろしくおとりなしを頼みますぜ、ちゃあ」
と言って、古川の英次と、下駄っかけの時次郎が、木口親分と、安直兄いの前へ頭をペコペコと
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