なにとぞしてこれらが仲を一味させたいといろいろ工《たく》めども、為《しょ》うずるようもなかったが、あるとき児ども一処《いっしょ》に集まりいたとき、父|下人《げにん》を召《よ》うで、『樹の楚《いばら》をあまた束《たば》ねて持ってこい』というて、その束《つかね》を執って、数多《あまた》を一つにして縄をもって思うさま堅う巻きたてて子どもに渡いて『これを折れ』という、児共われもわれもと力を尽して折ってみれども、すこしも叶わなんだ、そのとき父堅く巻きたてしをほどき、一把《いちわ》ずつ面々に渡いたれば、造作もなく折った、それをみて父のいうは、『めんめんもそのごとく、一人《いちにん》ずつの力は弱くとも、たがいにじゅっこんし、志を合わするにおいては、なにとした敵にも左右《そう》無うとり拉《ひし》がるることあるまじいぞ……』と言い終った。
    下心《したごころ》
 互いの一味をもって人間の仲も強く、また不和なときは国家も滅びやすいという義じゃ」
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 駒井甚三郎がこの条《くだり》を読み了《おわ》ると、お松が、
「このお話はどうも、わたくしが子供の時に聞いた毛利元就《もうりもとな
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