言うものだから、わしが仲達《ちゅうたつ》の憂目を見せられる」
二十
この貴公子が、どうしても動座を肯《がえん》ぜざるがために、用人の面上に現われた苦渋、難渋の色は、見るも気の毒なほどでありました。よって見兼ねた兵馬が、
「ほかに家はないのですか、ただお葬式を済ますだけの家はありませんか」
と、あまり巧妙ならぬ調停の言葉をはさんでみました。
「それがその、ほかの事と違いまして、現在自分の家がありながら、葬式の席をかせと申しがたいことでもござりまするし、それに、当人が、第一よろしくござりませぬ、それ故に死んだ後までも親類中に忌《い》み嫌われて、葬式の席を貸そうと申し出でる者も無いこと故に……」
用人が、かく弁解すると、貴公子は、
「だから、この家でやるがよい、わしはいっこうかまわぬのじゃ」
「それが、甚《はなは》だ恐れ多い儀でござりまして、当人は不浄の上に、人より天罰と申されるほどな非業《ひごう》の死を遂げた人間でござりまするが故……」
「うむ、天罰、何かよほどの悪いことをしたのかな」
「淫楽に耽《ふけ》りまして、目も当てられぬ挙動《ふるまい》をのみ、致しおったそ
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