に口実を与えた以上は、ここに落着いて事業の進行は覚束ない。まかり間違えば、吾々一同の生命の危害の問題だ。
 ああ、これは自分の思案に余るワイと、さすがの駒井甚三郎の面に、苦悶の色のいよいよ濃くなるのを隠すことができません。
 それを見て七兵衛が、静かに膝を進ませて言いました、
「殿様、御心配なさいますな、向うはたかのしれた賭博打《ばくちうち》でございます、あれを駒井の殿様が、まともにお考えになっては困ります、まして、まともにお相手になった日には、あいつらと、その黒幕にいる人たちの思う壺でございます。
 こんなのにはやっぱり裏をかいてやらなければなりません、いかがでございましょう、出過ぎた申し分でございますが、こうして参り合わせるも何かの御縁、この七兵衛にひとつ、お任せ下さいませんでしょうか」
と言われて、駒井が、苦悶の面をパッとあげて、改めて、七兵衛の頭から足の先までを見直しました。
 今までは、単純なお使役の青梅在のお百姓とばかりあしらっていたこの男としては、意外千万な、大胆不敵の申し分である。
 第一、これだけの報告を、いつ、どうして聞き出したかさえ大きな疑問であるのに、不肖ながら
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