をしたからとて、そこの主人が承知で物置へ入れて置くものを、よそから来て奪い去って行くというのは、あまりに乱暴です。
 多分、このマドロスという男が、村人に、堪え忍び難きほどの損害か、恥辱かを与えたればこそ、こういう仕返しが来たのかもしれません。それにしても、主人を無視した、乱暴な仕打ちであると考えさせられました。
 この分では、奪って行かれたマドロスという人の運命の程が思われる。どのみち、虐殺のうき目を遁《のが》るることはできない。何の罪状か知らないが、罪を問うならば問う方法がある、これでは無茶だ、という気持が、むらむらと七兵衛の心に起りました。
 そうしてみると、一刻も猶予してはいられない。よしよし、とにかく、ひとつ出かけて行って見てやろう。七兵衛は客間へ取って返して、自分の道中差を取ってぶち込み、尻端折りをして飛び出しました。
 行く先は分らないながら、とにかくあらましを茂太郎から聞き、足跡をたどり、途中で聞き聞き行くつもりで駈け出しました。
 これが行く先さえ分っていれば、七兵衛の足だから先廻りをするに雑作《ぞうさ》はないが、なにぶん土地不案内のことです。
 一方急を訴えられた造
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