るんだから仕方がないじゃないか――女ちうものは、子を産むように出来てるんだぜ」
「そうだ、子を産むのは女ばかりで、その女も、お母あにならなけりゃ産まねえのだ、お母あになると仕掛が違うのかなあ」
「馬鹿――子を産むのはお母あばかりじゃねえぞ、家の姉《ねえ》やなんぞも、奉公に行ってから家へ帰って子を産んだぞ、だけんども、姉やの子じゃいけねえからって、おいらの弟にしてあるんだ、だから、姉やだって産むよ、お母あとばっかりきまったもんじゃあねえや」
「でも、うちの姉やは産まねえよ」
「ちぇッ、お母あだって、産まねえお母あもあるよ、あの新屋《しんや》をごらん……」
「みんな知らねえのかい、御亭主を持たなければ子は産まねえんだぜ、いくらお母あだって、御亭主が無けりゃあ子が産れないよ」
「御亭主てのは何だい、父《ちゃん》のことかエ」
「そうさ――父親と母親というものがあって、はじめて子が生れるんだよ」
「だッて……」
「だッて、姉やは御亭主が無くって子が出来たというじゃねえか」
「そりゃあ――そりゃあ」
「先生のお松さんだって、ごらん、御亭主が無くって子供があるよ、そら、郁太郎様と、登様と、二人も子供
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