《はがゆ》いくらいに思いましたが、今度はその従者に対する言語挙動が、まるで奴隷に対するような扱いであり、軽蔑と、叱咤《しった》とを以て、待遇するのに、このグロテスクな従者に、一言のないことにも驚かされました。
これは一つは、前ので抑えていた癇癪が、次の相手に向って、加速度に浴びせられたと見れば見られないこともないが、この従者としての小男が、そのお嬢様という人からは、かなり鄭重に扱われているにかかわらず、そのお嬢様に恐れ入っているこの伝法な女に対しては、頭が上らない様子でいることが、不思議でなりません。
そうして、おのずから、そこに蛇と、なめくじ[#「なめくじ」に傍点]と、蛙のような気分を見て取らないわけにはゆきませんでした。
そんなような一種変テコな気分の下に、米友は足を洗いおわって、座敷に通らせられました。
五十六
白骨を立とうと思い定めたお雪は、その翌日の朝から机に向って、例の弁信へ宛てて書く手紙の文章に、
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「弁信さん――
近いうちに、わたしたちは白骨を立ちます。
ここも悪いところではありませんけれど、とかくこのごろは人の出入り
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