字下げ]
あはれなり
いかになるみの里なれば
又あこがれて浦つたふらむ
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と読まれるのもある。
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甲斐なきは
なほ人知れず逢ふことの
はるかなるみの怨《うら》みなりけり
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としるされたのもある。
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昔にも
ならぬなるみの里に来て
都恋しき旅寝をぞする
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とうたわれたのもある。
よみ人の名の記されているのもある、いないのもあるけれども、いずれも古えの名家の歌であることは疑うべくもない。
少しむずかしいのには、
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幾人東至又西還(幾人か東に至りまた西に還るや)
潮満沙頭行路難(潮沙頭に満ちて行路難し)
会得截流那一句(流れを截《た》つの那《か》の一句を会得《えとく》せば)
何妨抹過海門関(何ぞ妨げん海門の関を抹過するを)
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と読まれるのもある。
どれもこれも、時間の永遠にして、人生のはかないなげき、いかになる身の果ての詠歌でないものは無いらしい――と思われる。
古《いにし》えの人はここに来て、須磨や、明石や、和歌の浦の明媚
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