しい、決してこの教訓を、内心で舌を吐いて聞いているのではないらしい。
やがて、今後の身の振り方というようなことになって行くと、今朝の出来事は、藩の諒解を得てやったことではないにきまっているが、その事の結果は、藩の面目のために戦ったことにもなるから、藩の方でも、他の罪人を追究するように厳しいことはすまい、まあ、当分、足を抜いていさえすれば、おのずからほとぼりも冷めて、相当期間の後には、無事、帰参のできるようになるにきまっている。それまでの間、知人もあるから当分、名古屋へでも行ってみようというようなことを、極めて軽く取扱っているから、お角が、そこでも、少し考えて、くさび[#「くさび」に傍点]を打ってみました。
なるほど、それはそのように、わたしたちにも思われますが、なお思い過ごしをしてみますと、一藩だけの間の出来事ならばともかく、相手は他藩、ことに御三家の一なる名古屋藩の城下の者――たとえ士分の者でないとはいえ、相手は御三家のお膝元の者、ことに二人は仕留めたが、二人は逃がしてしまっているから、先方の証人に不足はない、正式に藩から藩へのかけ合いでもあった日には、そう、あなたのお考えになる
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