で字下げ終わり]
という白ぬきの大文字を見た途端に、ツーンと頭へ来てしまいました。
「はあ、舞鶴駒吉――あれからどうしているかと思ったら、こんなところに来ていたのかねえ」
勧進元は誰がやっているか知らないが、乗込んで見れば存外知った面で、おたがいに、これはこれはという段取りかも知れない。
茶屋の前で、ちょっと駕籠を休ませて、
「お嬢様」
と後ろを顧みて言いました。
「はい」
お銀様が、垂《たれ》を上げない駕籠の中から返事をする。
「相撲はお好きでございますか」
「好きでもありませんが、嫌いという程でもありませんよ」
「田舎にしては、ちょっと珍しい相撲がかかっていますから、のぞいてごらんになる気はございませんか」
「お前さんが見たいと言うんなら、わたしも一緒に参りましょう」
「岡崎泊りには時間がたっぷりございますから、なんならひとつ、相撲を見てやりましょう」
「お前さんのよいように」
「では、お嬢様、これから駕籠を下りて参りましょう、石河原ですけれど、そんなに遠いところではありませんから、おひろいでおいで下さいまし」
お角が先に出て、案内に立ちました。
相撲場は、直ぐに眼の前の
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