とした声音が洩るるので、ああ、観念というものの鈍い彼等、やはり浅ましくも憐れなものだ、という感情に打たれつつ、自分の室へ足を入れました。
四十一
その翌朝、枕を上げて聞くと、もゆる子と茂太郎との嬉々とした話し声が、あの室から洩れて来て、やがて二人が合唱となって歌い出したのを聞く。
駒井は、つくづく、張合抜けのするほどに、たよりなさを感ずると共に、無恥と、無智との観念の区別がわからないものかと歎息しました。
やがて、今朝はすべてが無事に食卓を囲むことになる――すべてといううちに、田山白雲と、マドロスとは除いて、つまり昨日の食卓に、一人の兵部の娘を加えただけで食卓を囲みました。
駒井の頭脳《あたま》のうちには、いろいろの複雑な感情が往来しているのに、もゆる子と茂太郎との、わだかまりのないこと。
「殿様、キュラソーを召上りますか」
「いりません」
「今朝のかぼちゃは、たいそうおいしうございます」
「茂ちゃん、このお魚を食べてごらん、骨の無いところを」
「お嬢さん、お前、怪我をしてますね」
「ええ、少しばかり」
「どうして、怪我をしたのさ」
茂太郎は、もゆる子の
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