あの分なら大丈夫だろう。別に田山白雲が、ぜひとも自分の妻子を伴って参加を申入れている。その他、夫婦共稼ぎで乗組みたいというものが、この地で自分が養成した工人のうちに若干ある、そのうちから選抜すること。植民には女性が要る、同時にまたその女性にも、植民の母という資格が無ければならぬというようなことを、駒井が、うつらうつらと考えはじめました。
その時に駒井の頭の中にも、お松という女の子のことが、計数と考慮の中に入って来ました。植民の将来の母として、あのお松のような子がぜひ欲しいものだ、と思わせられました。
それに、あの娘には自分として、切っても切れぬ恩義を蒙《こうむ》っているといわねばならぬ。自分のあやまちから、日蔭に置いてある、まだ見ぬ子――自分にとっては、この地上でただ一人の血をわけた、しかも、男の子というのを、あの娘が預かって育ててくれている。いよいよ日本を立つ時は、どうしても、それに一応の挨拶無しでは立たれない。
駒井は、また既往のことと、自分のあやまちとを考え来《きた》ると、例の生一本に自分をにくみきっている奇怪なる小さい男――宇治山田のなにがしと名乗る男について、考えさせら
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