。
だが、駒井はこの際、別に新しい研究にとりかかる様子もなく、椅子に反《そ》り返って、腕を組み、キャンドルをながめてボンヤリと考えている。だが、それは必ずしも屈託の色ではなく、自分の計画が、ともかくも着々と進んで行きつつあることに、かなりの安心と、満足とを持っての沈黙であることもわかります。この様子で見ると、先日の蒸気機関引上工事も、多分成功したらしい。
あれを引上げることに成功すれば、そのまま使用ができないまでも、それを参考として、必ず相当なものを、新たに作り上げるだけの自信が出来ているはず。
そこで、次に来《きた》るべきものは、その蒸気機関に使用すべき燃料のことです。
駒井の新たなる調査とか、研究とかいうことは、勢いそこまで進んで来るのが当然で、その次には、船がいよいよ竣工して、その乗組員と積込物資のこと。
まあ、ここにいて生活を共にする者の全部と、工事を助ける者の一部分とは、同乗することになっているが、指を折ってみると、
第一、自分というもの、次に、金椎、次に、茂太郎、次に、マドロス、それから、兵部の娘――あの娘も、今では健康も、精神状態も、常態に復したといってよい。
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