学、六分儀の使用、海図研究――夜はこうして天体の実測観察。
駒井が天体を観察する傍らに、清澄の茂太郎が立っている。小脇には例によって般若《はんにゃ》の面《めん》をかいこみつつ、
「殿様、歌をうたってもようござんすか」
「お歌いなさい」
お許しが出たものだから、澄み渡った夜の外房の空に向って、得意の即興詩がはじまる。
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さて皆さん
皆さんは
この大地は
四角なものだとか
或いは平らなものだとか
お考えでございましょう
ところが違います
この大地は丸いものです
丸い毬《まり》のようなものです
丸い毬のようなものが
ブラリと大空の中に
ブラ下がっているのです
それを嘘だと申しますか
嘘ではございません
どうして丸いものが
大空の中に
ブラ下がっています
針金で留めてありますか
紐《ひも》で下げてありますか
ネジでまいてありますか
そんなら、その
針金と、紐と、ネジは
どこにあります
その針金と、紐と、ネジを
かける柱はどこにあります
壁はどこにあります
そんなことを知りたければ
駒井の殿様に
聞いてごらんなさい
殿様は学者ですから
その理窟を知っています
ですけれど
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