よりは、国民のうちの、いちばん、上っ調子な、惰弱《だじゃく》な、雷同的な人気商売の部分を利用して、悪い遊戯を流行させるのがちかみちだという昔の歴史を聞いたことがある。
 そこで、メリケンとか、南京とかいう者共が、こんな軽薄な競技を日本に流行させて、日本の国粋をけがす手段ではないか、なんぞと主膳も、がら[#「がら」に傍点]になくそぞろ憂国の念を感じてきたもののようです。
 事実、大人の道楽者にあっては大抵は驚かないが、子供の堕落には、主膳ほどのものが全く怖れる。
「後世おそるべし」

 けれども、当座の間は、悪太郎ばかりで、女の子というものは更に加わらなかったけれど、ある日、一人の、ここに常連の子供たちよりは、やや年長で、がらも大きいし、容貌も醜いほどではないが、なんとなく締りのない、低能に近いほどに見ゆる女の児を一人、子供の愚連隊が連れこんだことによって、今までとは全く異った遊びの興味を湧かすのを、主膳が見ました。
「今日は、おいらん遊びをしようよ、吉原のおいらん遊び」
 その低能に近い女の子を、多数の子供で一室に連れこんで行く。主膳が遠くから見ていると、その女の子が別段こわがりもせず
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