」
「お嬢様、ぜひそうなさいまし、わたしがついて、思いきって、お嬢様に面白い旅をさせてお上げ申しますよ」
こうして、お角はとうとう、お銀様を口説き落して旅立ちの決心をさせてしまったのは、予想外以上の成功でありました。
お角が、この予想外以上の成功に、自分の腕の誇りを感ずるよりは、それと聞いた父の伊太夫の喜びは、非常なものでありました。厄介払いをしたというわけでないが、たしかに自分のあえぎあえぎ背負って来た重荷を、一時《いっとき》なりとも人に肩代りをしてもらう心安さを、喜ばずにはおられなかったらしい。
スフィンクス建設の工事と計画は、案を授けて、不在中に進行させ、自分は早くも旅の用意にかかったお銀様――お銀様自身の用意よりもなお周到に、十二分の用意を迅速にととのえてやる父の手配。
善はいそげ、御意の変らぬうちと、その発足も、翌日ということにきめてしまいました。
この有力な人質を得て置くことは、今も昔もお角にとって、損の行くことではありません。一石二鳥というが、これは少し荷が重いには違いないが、一石二鳥にも三鳥にも、或いは無尽鳥にも向う宝の庫を背負わせられたように、転んでもただは
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