見て、思う存分|話《はな》し敵《がたき》となったところだ。
その時、弁信は何と言った。
三十
お銀様は、弁信の言葉を思い出しながら、当夜の業火のあとをつくづくとながめる。
火が、すべてを焼きつくす革命の痛快に驚喜したのも何の事――その時の業火のあとを少し避けて、今し、盛んなる再建工事が、前よりも一層の規模を以て、進行されているではないか。
全く、革命がどこにある。絶滅がどこにある。浄化が、魔化が、それが今、どこに権威を示しているのだ。
復興が早い。焼け尽したと見せた蓆《むしろ》を、また直ちに裏返して青々としき直す、人間の小賢《こざか》しい働き。自然はまたいい気になって、材料を供している。
お銀様は充分の冷笑をたたえて、その新築の作事工場から焼野原を見ました。
その焼野原のまんなかに、そそり立つ巨大なる一本の木柱を見出した時に、お銀様は、またもや、極めて皮肉なる冷笑を禁ずることができませんでした。
お銀様は、その日のことを狂言と見ている。父の伊太夫が、尊信|措《お》かざるところの慢心和尚という坊主を、役者と見ている。あの災難の後、父がわざわざあの坊主
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