ばかしくって、たまらない米友。
二十六
幾時《いくとき》の後なりけん、山道|切拓《きりひら》き工事(拳大の石を一つ掘り出すこと)がようやく終ると、木遣《きやり》の声がする。
大骨折って掘り起した三百匁ばかりの石を、手揃いで大八車に積みのせる仰々しさ、さてまた、それを木遣音頭で送り出す騒がしさ。
そこで、お取持が、新元服の前に例によって平身低頭して、工事のようやく成れることを告げてお通りを乞うと、新元服は鷹揚《おうよう》にうなずいて、歩み行くこと約三尺。
「お取持、おのおののお骨折りによって、大山は取除かれたが、またしてもここに大きな川があって渡れ申さぬ」
「ははあ、これはまた恐れ入りました、では、橋かけに取りかからせまする」
大きな川があって渡れないというところを見ると、金魚屋がこぼして行ったような水たまり。
その御託宣をかしこまって人夫をかり立てるお取持――えんやえんやで竜吐水《りゅうどすい》が繰込んで来る、蛇籠《じゃかご》が持ち出されるという光景を見て、米友がばかばかしさを通り越して、もう一刻も我慢がなり難くなりました。さすが暢気《のんき》な道庵も、
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