得ましてござります。おーい、人足共はあるかやい」
 お取持が恐縮千万のうちに、後ろを振返って大きな声で呼ぶと、
「おーい」
と勢揃いの声がして、一方から現われるのは、揃いの着物に向う鉢巻の気負いが五人、手に手に鳶口《とびぐち》を携えて、しずしずと世話役の前へかしこまる。
「これ頭《かしら》たち、今日、せっかく元服のお客様をお招き申し上げたところ、道筋に斯様《かよう》な大きな山があっては、行くに行かれぬと、お客様方よりお叱りでござるによって、早々、山を取崩して、道筋を平らになさるように……」
「委細承知いたしました、さあさあ、よいやさの――さ」
 五人の頭が、鳶口を振り上げて、よいやさのよいやさのと、かけ声ばかりは勇ましく、振袖が大風《おおふう》に指摘している路面に、ほんの少しばかり頭を出しただけの小石を掘りにかかる。その大仰な仕事ぶりを見ると、見物一同やんやの喝采だ。
 それからまた、件《くだん》の山岳取りくずし工事の緩慢さ、五人の頭が、かけ声ばかり大仰で、拳大の石一つ掘り出すに、いつ果てるとも見えない。
 見物は、その緩慢にして、大仰な仕事ぶりを見て、しきりに嬉しがっている。
 ばか
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