いって、それを取下ろして、小脇にかい込み、床の間へどっかと坐り込んで、ジロジロ見廻している。
丸山勇仙は、その武者ぶりをほめたり、けなしたりしながら、物の具の威《おど》し方や、糸の色、革の性質、象嵌《ぞうがん》の模様などを仔細らしく調べている。
兵馬は、苦々しい思いで、彼等の為すままに任せている。
暫くしてから、仏頂寺弥助が、立ち上って、
「ああ、なかなか重い、昔の武人は、とにかく、これで馬上の働きをしたんだからエライ。もっとも我々でも、いざ戦場となれば、この程度で働けないこともあるまいさ」
「君だからいいけれど、僕や宇津木君なら、つぶされてしまう」
と丸山勇仙が言いました。
そこで仏頂寺も、兜から、おもむろに武装を解きにかかって、取外すと、丸山勇仙が介添気取りで、いちいちそれを整理する。
それから、鎧櫃《よろいびつ》へ納めようとして、一応鎧櫃の中を探ってみると、勇仙が手に触れた一冊の古びた書物を探り出し、妙に眼をかがやかして、それを二三枚繰って見たが、ニヤニヤと笑って、仏頂寺の眼の前につきつけ、
「まだ一くさり残っていた」
仏頂寺が、その冊子をのぞいて、渋々と手に取り、
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