……」
 色のあせた緞子《どんす》の小袴をとって帯の上に結び、
「誂《あつら》えたように三星まである。ところで、この紐をこうしめて前へ引きまわし、前締《まえじめ》に引通して結ぶ。普通の袴のように、前の紐をさきに結んで、後ろのをあとで結ぶのはいけない」
 小袴をつけ終ってから、
「足袋はあと、脚絆《きゃはん》は略して……草鞋《わらじ》も略して、それから脛当《すねあて》だ。多分これは、多門脛当というやつだな」
 脛当を取って、まず左の足につけながら、
「こうして左から先にはいて……右足を後に、おっと、この承鐙肉《あぶみずり》は内側にならなけりゃいかん。どうも、下へ脚絆を穿いとかないと、気色が悪いけれど。そうして紐は空解《そらど》けのしないように、結び目を左右に分けてはさんでおく。それから佩楯《はいだて》か……これは威佩楯《おどしはいだて》になっている、こうはいて、こう締めて、さてこの前締をどうしたものかな。すべて前締のあるのは、腰をさがらせないように特に注意してあるのだから、無用と思って閑却すると、立働きの時に、その罪がテキメンに現われて来る。さてお次は決拾《ゆがけ》かな」
 決拾一対を探
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