のだなと、兵馬は呆《あき》れ果て、自分がその中へ割り込もうという気には、どうしてもなれません。
ぜひなく、手持無沙汰に部屋へ引返して来ました。
まだ、火鉢には火の気が無い。再び寝床にもぐり込み、さしもの浴槽も、どうせ、そのうちにはすくだろう、すいた時分を見計らって、悠々一浴を試むるがよろしい。とはいえ、昨夜は、どこを見ても、あれほどの混雑は想像されなかったのに、今朝になって、急にあの有様、昨夜のうちにあの客が着いたのか、着いたとすればどこから来たのか。兵馬は、そんなことを考えながら、再び蒲団《ふとん》にもぐり込んでいると、ほどなくカルサンを穿《は》いた宿の男が、火を持って来てくれました。
それに、たずねてみると、なあに、明神様のお日待ちがありますんで、そのくずれでございますよと、要領を得たような、得ないような返事。
朝飯には椎茸《しいたけ》と卵を多く食べさせられ、正午《ひる》近い時分、浴室へ行って見ると、こんどは閑として人が無い。そこで、思うままに一浴を試みていたが、あれほどの人はどこへ行った、自分のほかにはほとんど客の気配はないではないか。
やや、しばらくあって、手拍子面白
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