んな許せばよかったのです」
「言語道断です、さような戯言《たわごと》はもうお聞きしますまい」
「お聞きになりたくないことを、強《し》いてお話ししようとも思いませんが、人間はみんな弱い者ですから、おたがいに許すことですね、いくら許しても害にはなりません、許しても許しきれないことは、神様が許しませんからね、仏様が見とおしていらっしゃいますからね、許されても許されないものは許されません、このわたしを御覧なさいな」

         二十二

 その翌朝、眼がさめて見ると、昨日のあの快晴に引換えて、天地が灰色になっていました。
 聞いてみると、これはやがて雪になるということ。
 昨夜の夢見の悪かったのは、一つはこの気候のせいか。
 果して、霧のような雨が捲いて来て、暫くすると、それが粉雪に変りました。
「ああ大雪だ」
 雪は珍しくはないが、それでもまあ、よかった、今日が昨日でなくてよかったのだ、吹雪の中に白骨を出て来るわけにはゆかなかったのだから、当然この雪をかぶって白骨籠城か、そうでなければ途中の難儀、測るべからざるものがあったのに、一日の境で、悠々として白骨を出て来たのは、時にとっての好
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