のです」
「御病気からではなく、お怪我からでございましたか」
「ええ、怪我からやられました」
「怪我もいろいろございますが、それによって養生の方法も違いましょうね。そうそう、先日見えた二人づれのうち、一人の丸山なにがしというのが、医術の心得があるように言っていましたね、君」
 北原は同行の村田を顧みると、村田はかたくなに坐りこんでいたが、
「そんなようなことを言ってましたね」
「あの人にでも、見ていただくとようございましたがな」
 そこでちょっと話が途絶《とだ》えました。
 しばらくしてから机竜之助が、座右の煙管《きせる》を取りのべて、
「誰に見せてもダメですよ、癒《なお》りっこはないと思うけれど、つい、こうしている間は捨てても置けず……」
とつぶやきました。
「ダメということはございますまいが、せいぜい御養生はなさらなければなりますまい。時にそのお怪我というのは、何が原因なんでございますか」
「この目のつぶれた原因ですか」
「はい」
「これは煙硝《えんしょう》で焼かれたのです」
「え、煙硝に吹かれたんですか」
「そうです」
「いや、その事。わしらの郷国では、あれが大好きでしてね、大仕
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