掛のやつを好んでやるためによく犠牲者が出ます……それでもまあ、怪我だけで幸いと言わねばなりません、五体を微塵《みじん》に飛ばされる奴もありますからな」
と北原が言いました。
そこで、また、どうやら話の呼吸が合わなくなったらしい。
北原は、それを自分の推想が外《はず》れたと感得したから、で勢い前言の訂正、且つ、つぎたしをしなければならないと思って、
「花火ではございませんでしたか」
「花火ではありません――戦争《いくさ》でやられました」
「え、戦争ですか」
「戦争というほどの戦争じゃありませんがね、いくさの真似事《まねごと》のようなものですけれども、それでもいくさでした」
「そうですか、いくさ[#「いくさ」に傍点]においでになりましたか」
「ふとした行違いでしたよ」
「どちらでしたか、その軍《いくさ》は」
「大和の十津川です」
と竜之助が言ったので、お雪ちゃんがヒヤリとしました。
それは話の半ば頃からです。
眼の悪いことは隠せないにしてからが、その原因までを語る必要はあるまいに、問われたらば、何とでもそらしておく道もあろうに、煙硝でつぶれた、いくさ[#「いくさ」に傍点]でやられた
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