お雪ちゃんの部屋へ話しに行きますが、ようござんすか」
「え、ようござんすとも、どうぞ、いらしって下さい」
 この場合、悪いとも言えないし、よしこられては困る場合であっても、お雪には、それを断わるようにすげない挨拶はできないたち[#「たち」に傍点]ですから、やむなく承知の旨《むね》を答えました。
「それじゃ上ります、その時にですね、お雪ちゃん、あなたのそのお連れの方に、我々をひとつ御紹介ねがえますまいか、御病気がお悪ければ遠慮を致しますが、あれを、あれだけにお吹きになる元気がおありになるのですから、我々に御面会くだすっても、たいしたおさわりにもなるまいかと存じます」
「それはそうですけれどね」
「いけませんか」
「いけないはずはありませんが、当人がずいぶん、きむずかしい人ですから、もしや、失礼があっては済まないと存じます」
「どう致しまして、失礼の段では、我々人後に落ちません……あなたのところへ遊びに行くのはいいが、お連れの方に御挨拶なしにはいられませんからね。御迷惑のようでしたら、早々引上げますよ、人の気も知らないで、腰を落ちつけているような、心なき業《わざ》は致しません」
「いいえ、
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