ませんか」
「あれは、違います、全く他人です」
「ははあ、そうしますと、あなた方御同勢の五人と、その女の方の一行と、二組だけでございますか」
「それに俳諧師の方が一人おります、留守番と、猟師が二三名出たり入ったり……」
「そうですか。そうして、あなた方は失礼ながら、どちらからおいでになりましたか」
「飛騨《ひだ》の方から参りました」
「重ねて失礼ですが、御商売は何ですか」
「商売……」
村田は、ちょっとばかり苦《にが》い顔をして、頭へ手をやり、
「商売と改まって聞かれると閉口するですがね、実は神楽師《かぐらし》なんですよ」
「神楽師?」
「ええ、池田というあれが頭分《かしらぶん》で、神楽をやりながら諸国を渡り歩き、この冬はここへ籠《こも》って、また飛騨の方面へ帰ろうと思います。一行のうちには、飛騨の高山生れの者もありますんでな」
「そうですか、それでおのおのは、音曲のたしなみがおありなさるのだな」
「神楽師《かぐらし》とは言いながら、変り種ばかり集まっていますから、神楽師にしては人間が大風《おおふう》だと思召《おぼしめ》すかも知れません、事実、神楽は道楽のようなもので、学問武術などに
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