と思われるが、かなり心得のある四条風の筆法で、二頁大の一方に、あちら向きの妙齢の裸体美人を描いて(あちら向きだから、面《かお》は美しいか美しくないかわからないけれども、その姿から見て、美人といってもさしつかえなかろうと思われる)その左の一面に賛《さん》をして、「こちら向かんせ、雪の膚《はだえ》が見とうござんす」というようなたわごと[#「たわごと」に傍点]が書いてある。
その次には、一人の武骨な男が、得意になって三味線をひいていると、その前に、鬼が唐辛子《とうがらし》を持ちながら、しきりに涙を流しているところがある。何の意味だかわからないが、鬼の唐辛子を持っているところが奇抜でもあれば、おかしみもあると思いました。
その次には、猟師が熊狩をしているところがある。これも四条風の筆法で、前の後向き美人を描いたのと同一人の筆と見える。月の輪の大きな熊が、上からのしかかって来るのを、下にくぐって槍で突き上げるきわどい[#「きわどい」に傍点]瞬間を巧《たく》みに描いて、
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不入熊穴不獲熊親
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と賛がしてある。その次には夜半堂の筆法で、軽妙に近い俳画
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