ったのでしょう、残雪のまばらな、焼野原のようなところに出て来ました。
 東道気取りに先に立ったお雪が、あたりを見廻して、
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君と行く白馬ヶ岳の焼野原
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と歌い出しました。興に乗じて歌を詠《よ》むつもりでしたろう。それが、どう間違ってか、白馬ヶ岳の焼野原と言ってしまったので、グッとあとが詰まったようです。
「白馬ヶ岳をうたうのに、焼野原では付きませんね」
 お雪は、焼野原に替うるにお花畑を以てしようか、雲の海を以てしようか、偃松《はいまつ》を以てしようか、雪渓を以てしようか、その苦吟をはじめたらしい。
 その時に、雲が濛々《もうもう》と湧いて来たものですから、ほとんど十歩ばかり先に進んでいたお雪の姿が見えません。
 お花畑も、焼野原も、一様に、この濛々たる白雲につつまれてしまいました。
 ほどなく雲霧の晴れた時、自分の立っているところ――多分それが、白馬ヶ岳の頂上なのでしょうと思います。
 今は、照りかがやいていた天上も、落日の時と覚しく、山と、空との間を彩《いろど》るところのものは、金色《こんじき》であります。
 その金色が、山際からようや
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