近も、高低も、カーブも、スロープも、心ゆくばかり明快にうつるのみではない、雪に照り映《は》えている自分の一枚の白衣《びゃくえ》が、鶴の羽のようにかがやくのを認めました。
 どうして、この時、一枚の白衣で寒くないのだろう。寒くないのみならず、何ともいえない軽快なすがすがしさ。自分の四肢五体までがすっかり、この鶴の羽のように、さえ返っているのではないかと疑いました。
 彼が眼の不自由を感ずるのは、その醒《さ》めている時だけであります。
 多くの人が日の光のめぐみに浴する時こそ、彼は肉眼も、心も、全くの暗黒で、世の人が光を隠されて暗黒の眠りにつく時に、彼に自由の天地があり、どうかすると、赫々《かくかく》たる光に眩惑《げんわく》されることもある。
 しかしながら、この夜の自由は、その以前の夜の自由とは、少しく性質を異にしてきたようです。何よりもまず夢の世界に立つ時、未《いま》だひとたびも、自分の視力を疑ったことのないのが幸いといえば幸いでしょう。
 とはいえ、雪をいただく大山脈を長城にして、めざましい空の碧《みどり》の色を、こうもあざやかに見たのは、今がそのはじめです。
「ここが有名な白馬《は
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