タヘテ詩ヲ賦ス、マコトニ一世ノ雄ナリ、而シテ今|安《いづ》クニカ在ル哉、況《いは》ンヤ吾ト子《なんぢ》ト江渚《こうしよ》ノホトリニ漁樵《ぎよしよう》シ、魚鰕《ぎよか》ヲ侶《つれ》トシ、麋鹿《びろく》ヲ友トシ、一葉ノ扁舟《へんしゆう》ニ駕シ、匏樽《ほうそん》ヲ挙ゲテ以テ相属《あひしよく》ス、蜉蝣《ふゆう》ヲ天地ニ寄ス、眇《びよう》タル滄海《そうかい》ノ一粟《いちぞく》、吾ガ生ノ須臾《しゆゆ》ナルヲ哀《かなし》ミ、長江ノ窮リ無キヲ羨ミ……」
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 そこで、丸山勇仙が、一種の反抗的昂奮を催してきました。
 反抗的とはいうが、何が反抗だかわからない。ただ、むやみに一種の昂奮を催してきたらしい。
 しかし、仏頂寺弥助が耳錠を取った時分には、尺八の音は止《や》んでおりました。
「あ、助かった」
 ホッと息をついた時に、丸山勇仙が、
「君は、それほど尺八がいやなのかい」
「尺八と、木魚《もくぎょ》だ、あれを聞かされると、ほとんど生きた空は無い」
「不思議だね」
「いやといったって、嫌いじゃないんだね、虫が好かない、というでもないのだね、そうだ、怖いんだ、むしろ一種の恐怖を感ずる
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