よと教えられて、清水《きよみず》のほとりに出でて、女の辻取りをやる。
侍従の局《つぼね》という、すばらしい女房をとっつかまえて、歌を詠みかけたりなんぞして、とうとうものにする。
この女房が、物臭太郎を七日の間、湯につけて、二人の侍女に磨かせると、真黒な物臭太郎が、玉のように光り出す。
これに直垂《ひたたれ》を着せ、衣紋《えもん》をただし、袴をはかせて見ると、いかなる殿上人《てんじょうびと》もおよび難き姿となって、「おとこ美男」の名を取る。
それに、歌を詠ませると、なかなかの名歌をよむ。
物臭太郎では勿体《もったい》ない――新たに歌左衛門という名を、豊前守《ぶぜんのかみ》がつけてくれる。
帝《みかど》の御前に歌をよみ、御感《ぎょかん》にあずかり、汝《なんじ》が先祖を申せとある時、はじめて国許を仔細に探ると、人皇《にんのう》五十三代のみかど、仁明天皇の第二の皇子、深草の天皇の御子、二位の中将と申す人、信濃へ流されて……という系図が現われて、信濃の中将になり、甲斐、信濃の両国を賜わり、この女房を具して任国へ下り、一門広大、子孫繁昌というめでたさ。
この物臭太郎がすなわち穂高の明
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