ごろうじろ、忽《たちま》ち江戸の奴等と組んで、しこたまコムミッションを取ってしまわあな」
道庵が、まじめのようにして聞きながら、茶々を入れたがるのを、僧形の同職は心得て受け流すところが、かなり道庵扱いには慣れているものと見えます。
「ところがね、道庵先生、その鈴木千七郎殿が、家老には家老でございますが、その時ようやく十七歳の若年者《じゃくねんもの》でございました」
「十七……」
といって道庵が、杯《さかずき》を下に置いて、じっと僧形の同職の顔を見据えたものですから、僧形の同職がグッと砕けて、
「さあ、もう一つ、いかがでございます」
といって、下に置いた道庵の杯に酒をつぎました。
「十七の小伜《こせがれ》……小伜様。出す奴も出す奴だが、出る奴も出る奴だ。しかし、お辞儀をしてしまうには、若いのを出した方がいいかも知れねえ」
道庵は興ざめ顔に、下に置かれた酒を取って飲みますと、僧形の同職が、
「まあ、お聞き下さいまし。そうして尾州家は、十七歳の鈴木千七郎殿を江戸表へ差しつかわし、水野越前守殿の面前に立たせました」
「相手が悪いね、越前守ときた日には、あの通りのやり手であるのみならず、その
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