を、米友も歯がゆく思わないわけにはゆきません。
「おい、医者だよ、お医者さんだよ、餅屋は餅屋だから、お医者を呼んで来ることが第一だ」
と米友が声高く叫びました。
「そのお医者が、留守なんでございますよ、出払ってしまいました」
「ちぇッ」
米友はここでも地団太《じだんだ》踏んで、焦《じ》れったがりました。
「おい、早く火を焚きな、火を。そんな……丸太ん棒を持って来たってどうなるもんか、藁火《わらび》だ、藁を持って来いやい」
と、米友が歯がみをして叫びました。
「その藁というものが、この地方には無《ね》えんでございます」
「ちぇッ……藁が無けりゃ、藁の代りになりそうな、麦稈《むぎわら》でも、茅《かや》でも、それが無けりゃな、人の家の畳でもむしりこわして持って来《き》ねえな」
と、米友が三たび叫びました。
だが、米友としても、地団太踏んで、こうして無茶に指図がましく人をがなりつけたけれども、これ以上に、どうしたら、差当っての救急療法かということを心得ているわけではありません。
取巻いていた一団の武士階級も、その辺にはかなり抜け目があるらしい。大小を取って、衣類を脱がせて、裸にして、水を
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